競馬で税金って払わないといけないの?
やったー!競馬で高額配当を当てたー!・・・けど、このお金に税金ってかからないのかな?
競馬で高額配当を当てた時に、税金関係の疑問が浮かぶと思います。その疑問をここでは解消できるようにしていきたいと思います。
競馬で高額配当を手にした時に掛かる可能性がある税金とするべき行動を紹介していきたいと思います。
CONTENTS
競馬の配当金は少額でも税金がかかる?
結論から言うと少額でも積み重なると税金がかかる場合があります。
競馬の配当金は「一時所得」という所得の区分になります。
一時所得とは、簡単に言うとギャンブルや懸賞などで手に入れることができる臨時収入のことを指しています。
この一時所得というのは少額だと税金は発生しませんが、ある一定の金額を超えることで税金を支払う必要が出てきます。
自分がどのくらい競馬で稼いだのかを把握してしっかりと税金を納めないと税金の払い漏れが発覚した際に、本来払う金額よりも多く払わないといけなくなるためしっかりと把握しておきましょう。
税金を払う必要がある金額ってどうやったらわかる?
では一時所得の税金を払う必要がある金額とはどのように算出するのかの解説をしていきます。
まず最初に1年間(1月1日から12月31日まで)で受け取った払戻金を全て足して年間利益を出す必要があります。
全ての的中した金額を計算する必要があるので、トリガミなども含んで全ての払戻金がどのくらいだったのかを計算しましょう。
次は払戻金に対する馬券の購入金額を計算します。
例えば、3連単ボックスで1点1000円で24点買った馬券が50,000円になった場合は24,000円が購入金額だと計算したくなりますが、この場合は当たった点数が1点なので1点分の金額である1000円が購入金額となります。
上のようにボックスやフォーメーションでまとめて買った金額にしたくなってしまいますが、購入金額として計算できるのは1点分の金額だけなので注意しましょう。
次は年間獲得した払戻金から購入金額を引いて、更にそこから500,000円を引くと一時所得が算出されます。
もし、一時所得が0円以上だった場合は確定申告を行って税金を支払う必要がありますが、0円以下だった場合は税金は払う必要がありませんので確定申告へ行く必要もありません。
一時所得が0円以上だった場合にどのくらい課税対象金額なのか計算すると税金を納めるときにわかりやすくなります。
課税対象金額は、一時所得を2分の1にすることでわかります。
高額配当を手にしてもバレない気がするけど…?
一時所得についての説明をしてきましたが、ここまで読んだ方の中には「自分から申告しない限り、高額配当をゲットしてもバレないんじゃないか」とこう考える人もいるかもしれません。
確かにそう思ってしまうかもしれませんが、高額配当を銀行口座に預けたりすると税務署は口座の出入金履歴を見れるため高額配当を当てたというのがバレてしまいます。
そのため、即PATやWIN5で収益が出て口座に直接払戻金が振り込まれている方は、バレてると思って税金を納めに行く方がいいでしょう。
高額配当がバレない方法ってあるの?
高額配当が税務署にバレない方法というのはあるのでしょうか?
競馬場やウィンズなどで馬券を購入すると、払戻しが銀行口座に振り込まれるわけではなく全て現金で受け取れるうえに馬券の購入には身分を明かす必要がないためバレル可能性が低くなるといえます。
しかし、現金で受け取った高額配当を口座に預けてしまうと結局税務署にバレてしまう為、大金を預けずに生活することになり色々不便だと思いますのであまり現実的ではないと考えられます。
高額配当で掛かる税金を支払わなかったらどうなるの?
もし年間を通して税金がかかるほどの金額を手にしたにも関わらず、税金を支払っていなかった場合どうなるのでしょうか?
税金の納め忘れが発覚すると元々払う予定の税金に加えて追徴課税というものが発生します。
単なる申告漏れと判断された場合は、払うはずだった税金の15%が上乗せ(もし納める税金が50万円を超えていた場合は20%上乗せ)された無申告加算税というものが追加されます。
しかし脱税と判断された場合、上記の無申告加算税というものに加えて更に払うはずだった税金の40%が上乗せされる重加算税が追加されます。
更に脱税という判断を税務署にされた場合には、刑事罰の対象になる可能性があり以下のような罰金が発生する可能性があります。
- 不正による意図的な脱税への懲罰:10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
- 意図的に無申告だった場合の懲罰:5年以下の懲役または500万円以下の罰金
- 正当な理由のない申告書の提出忘れ:1年以下の懲役または50万円以下の罰金
最大で1000万円以下の罰金が発生する可能性があると考えると、脱税と判断されるようなことをせずに最初から税金を支払っていた方が金銭的にも精神的にも楽だと思います。
競馬の税金にかかわるニュースってどんなのがあるの?
ここでは競馬の税金に関するニュースについて紹介していきたいと思います。
インスタントジョンソンのじゃい、競馬の払戻金に対する巨額の追徴課税で多額の借金!?
2022年にお笑いトリオのインスタントジョンソンのメンバーであるじゃいさんが自分のYoutubeチャンネルで競馬の払い戻しで巨額な追徴課税で借金を背負うことになった動画を公開しました。
インスタントジョンソンのじゃいさんと言えば、芸能界でも随一のギャンブラーとして知られていますが、何故そのような状況に陥ってしまったのでしょうか?
じゃいさんはこの件が起きる数年前から競馬の払戻金を「雑所得」として申告していたようですが、上記で説明した通り競馬の払戻金は基本的に「一時所得」として扱われます。
一時所得の場合の税金は上記でも説明した通り外れた馬券の金額は含まずに計算を行いますが、じゃいさんが申請していた「雑所得」では外れ馬券が必要経費として計算することが出来ます。
つまり、雑所得だとして払戻金を計算すると「年間で獲得した払戻金-外れ馬券を含む馬券代」ということになり、一時所得に比べると納める税金が少なくなる方もいます。
競馬の払戻金にかかる税金が少なくなる区分で申請していたために起きた悲しい事件ですが、もちろんじゃいさんには悪意があったわけではなくじゃいさん自身が競馬の仕事や競馬に関する本も出しており、スポーツ新聞でも予想を公開しているからこそ雑所得でもいけるだろうとアドバイスを受けて申請したようです。
この件でじゃいさんが税務署からマンションが買えるほどの請求が届いたと話していたので、おそらく金額は数千万円単位だと考えられます。
競馬の払戻金が「雑所得」として認められた!?
上では競馬の払戻金が雑所得として認められずに一時所得として処理されてしまいましたが、実は雑所得として認められた例もあります。
札幌に住んでいる男性が、2005年から2010年までの間にインターネットを利用して約72億円の馬券を購入して、合計約78億4000万円の収入を得てました。
その男性は競馬を「事業」として行っているため、得た収入は雑所得であるとして計算し、5億7000万円が利益として申告していました。
しかし国税局は、あくまで競馬の払戻金は「一時所得」であり外れ馬券は経費としては認めずに課税所得は9億8000万円になると判断しました。
男性はその判断を不服として、2012年に裁判を起こましたが一審では外れ馬券は経費として認められないという判断を行われました。
2016年に行われた第二審では男性が年間に多くて2億円、少ない年でも数千万円という多額の利益を6年間に渡り上げ続けていたという部分に着目してただの趣味ではなく「営利を目的とする継続的行為」に当たるとして見事逆転して勝訴しました。
実は2015年3月にも競馬の払戻金が雑所得として認められている判例はありましたが、そちらは馬券を自動的に購入するソフトを使って、独自の条件などを用いて長期的に馬券を網羅的に購入して利益を上げていました。
網羅的に馬券を買っているという所に着目し、「営利を目的とした継続的な行為」と判断され雑所得と認められました。
この二つの判例を見ると「長期間に大量の馬券を購入」していてなおかつ「常に利益を上げ続けている」という部分が共通しており、正直なところ特殊なケースではありますが、こういった事例もあるよということで今回紹介させて頂きました。
まとめ
さて今回は競馬の払戻金に関わる税金についての解説を行いました。
競馬は他のギャンブルに比べると高額配当を受け取れる可能性が高いため、こういった税金の話を知っておかないといざ自分が払わないといけない額の払い戻しを受け取っていたのにも関わらずに税金を払ってないとなると高額な税金を払わないといけなくなってしまいます。
高額配当だけではなく、年間を通して50万円分の払い戻しが発生していた場合にも税金を支払わないといけないため自分が今年どのくらい勝ったのかというのは表などにしてまとめておくと自分が税金を払う必要があるのかないのかという判断がしやすくなるためおすすめです。
競馬でせっかく勝ったのに税金を払う必要があるなんて面倒だなぁと思っても、インターネットを通じて馬券を購入している場合は銀行口座に直接振り込まれるため、口座の出入金履歴を見ることが出来る国税庁にバレる可能性は非常に高いといえます。
また、匿名で高額配当を当てたということを報告をSNSなどでしたとしても、税務調査では個人情報の開示請求を行うことができるためあっさりと自分であるというのがバレてしまうので、高額配当を当てた時には観念して税金を納めるようにしましょう。
副業として競馬を行う場合には、税金は切っても切れない関係なのでしっかりと税金周りの話は覚えておきましょう。