重賞って何?格付けや重賞競走について詳しく解説!
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重賞って?
重賞の語源は英語のパターンレースから来ています。
パターンレースとは「毎年一定の時期に一定の条件で繰り返し行われる競走」のことで、18世紀のイギリスで始まりました。
それ以前は競馬の競走は開催直前まで条件が確定されないことが常でしたが、パターンレースが広まることによって有力馬が目標を持って調整を行うことができるようになりました。
「重賞」という語は、このパターンレースの「回を重ねて賞を行う」点を採って意訳したものとされています。
もちろん「重要な賞」であることに間違いはありませんが、patternという語に重賞に通ずる意味はありません。
今回はそんな重賞について解説していきたいと思います。
「重賞」と「格付け」
パターンレースは競馬場単位、地域単位、国単位など様々なレベルで体系化されるようになりましたが、それを体系付けるのに拠っていたのは競争条件・賞金額・開催時期などで、これらの条件は基本的には主催者が決めます。
しかし、パリミュチュエル方式が確立するまでは、賞金の資金源はパトロンやスポンサー、或いは出走を計画している馬主が収めた登録料に頼っており、しばしば賞金の額が大きく変動して競走体系が揺らぐ要因になっていました。
とはいえ、古い時代には、馬の生産、馬の売買から競走に至るまでの競馬の一連の活動は大抵一定の地域に留まっていたので、その地域の中にいる者にとっては、どの競走がどれぐらいの価値を有するのかは容易に知りうる状態にありました。
やがて競馬の範囲が拡大し、特にアメリカでの競馬が盛んになってくると、大西洋を越えてヨーロッパとアメリカの間で競走馬の取引が増えるようになってきました。
しかし、イギリス人にとってはアメリカ競馬の競走の価値がよくわからず、逆にアメリカ人にとってはフランス競馬の競走の価値がよくわかりませんでした。
そのため、こうした海を挟んだ競走馬の取引に支障をきたすようになってきました。
そこで、競走馬の取引を円滑に行うために考えだされたのがグループ制とグレード制と呼ばれる格付け制度でした。
グループ制
グループ制は1970年にヨーロッパで導入された。パターンレースを、上等な方から順に「グループ1」、「グループ2」、「グループ3」に格付けし、残ったパターンレースは「リステッド競走」とされました。
これらは頭文字をとって「G1」や「Gr-1」のように表記されるのが通例となっています。
グループ制の導入までには5年の準備期間があり、1965年に第16代ノーフォーク公爵バーナード・フィッツアラン=ハワードの下に競走のパターンを調査する委員会が発足し、競走体系への勧告を行いました。
1967年には第7代カーナーヴォン伯爵ヘンリー・ハーバートが競馬番組委員会を組織し、委員会は130の競走をパターンレースとしてリスト化しました。
1970年にイギリス、アイルランド、フランスで「ヨーロピアン・パターン・レース」という格付けが初めて行われ、翌1971年にはイタリアが、1972年にはドイツが参加しました。
ヨーロッパでは基本的には競走馬の移動は自由に行われるべきと考えられていました。
第二次世界大戦後にフランスが自国の競馬を外国馬に開放すると、その傾向が強まったため、基本的には競走馬の所属国に関わらず平等な条件で出走できる競走がより高いグループに分類されました。
出走条件に国籍などの制約がある場合には、低いグループにされるか、格を与えられずにリステッド競走とされるかとなります。
これらは賞金の額には関わらないので、グループ制における格付けと、賞金の嵩は一致しません。
このためヨーロッパではハンデ戦はおしなべてグループ制の下では格を付与されていないが、賞金ではグループ1を凌ぐ高額賞金の競走も少なくありません。
グレード制
重賞競走の位置付けを明確にするため、1984年に格付けされました。
「格」を表す記号として、「GRADE」の頭文字である「G」を使用し、GI、GII、GIIIの3グループに分類されています。
GⅠは競走体系上もっとも重要な意義をもつ根幹競走、GⅡはGⅠに次ぐ主要な競走で、GⅠの勝ち馬も比較的容易に出走できる競走です。
障害競走の格付けはJ典GⅠ、J・GⅡ、J・GⅢとして表記されます。
なお、2007年には日本のパートⅠ昇格に伴い、平地競走については、国際格付けを持つ競走をGⅠ、GⅡ、GⅢと表記し、それ以外の競走をJpnⅠ、JpnⅡ、JpnⅢと表記するようになりました。
馬の年齢と収得賞金の額によるクラス分け
レースのクラスは上位からGI、GII、GIII、リステッド、オープン特別、3勝クラス、2勝クラス、1勝クラス、新馬・未勝利までのレースがあり、馬の年齢と収得賞金の額によってクラスは分けられています。
この中でも、GⅠ・GⅡ・GⅢが重賞と呼ばれています。
基本的には、ひとつ勝つごとに上のクラスヘステップアップする仕組みです。
また、重賞レースの2着でも収得賞金が加算されて昇級することがあります。
2019年夏季競馬からの降級制度廃止と同じタイミングで競走条件の呼称が変更となりましたが、新呼称へのスムーズな移行のため2020年内までは新・旧の競走条件を併記し、2021年から新呼称のみを使用しています。
一部のレースで例外もありますが、原則として、1月から6月上旬までは3歳馬だけのレースと4歳以上の馬によるレースの2本立てとなります。
それ以後は3歳馬も4歳以上の馬と一緒に出走するようになり、2歳馬だけのレースと3歳以上の馬によるレースの2本立てに変わります。
GⅠホースの称号を得られるのは、ほんのわずか
通常、競走馬は2歳から3歳にかけてのメイクデビューでデビューします。
メイクデビューを勝てば次のクラスに進み、勝てなかった馬は、未勝利で戦うことになります。
勝ち上がった馬は、1勝クラスに進みます。そして勝つごとに2勝クラス、3勝クラスとステップアップしていきます。
なお、2歳戦の始めのうちは新馬クラスとオープンクラスしか組まれません。
その後、勝ち上がった馬の増加につれてクラスを細分化していきます。
2歳の9月頃から1勝クラスに分けられ、さらに年上の馬と一緒にレースを行う「3歳以上」という条件のレースから2勝クラスと分けられていきます。
条件クラスを卒業した馬はオープン入りし、オープン特別、リステッド、GⅢ、GⅡ、GⅠでしのぎを削ります。
なかでもGⅠレースはオープンの頂点であると同時に、それを制覇することは競走馬の最大の目標でもあります。
GⅠレースのようなビッグレースに出走するために、競走馬はひとつひとつの条件をクリアしていくことが必要となります。
最終的にGⅠレースに出走できる競走馬はごくごく少数となり、年間約7,000頭のサラブレッドが生産される中で、GⅠホースの称号を得られるのは、ほんのわずかなのです。
G1
国際
1971年にヨーロッパの競馬競走に格付けが行われ、最高位の競走がGroup1とされたのがG1の始まりとなっています。
1974年には北米でも同様の格付けが行われ、最高位の競争がGrade1とされました。
多くの国の場合G1はグループ1であり、グレード1をG1としているパートI国はアメリカ・カナダ・日本・南アフリカのみのようです。
グループ1をG1としているパートI国・地域はアイルランド・イギリス・ドイツ・フランス・アルゼンチン・オーストラリア・チリ・ニュージーランド・ブラジル・ペルー・UAE・香港の12国・地域となっています。
グループ1とグレード1は互いの国際的格付けに互換性が認められているため、ここではいずれも同じG1として取り扱われます。
日本
1984年に日本中央競馬会が独自のグレード制を導入し、15の中央競馬のレースをG1レースに指定しました。
あくまでJRA独自のグレード制であったため、この頃のG1には国際的な格付けが認められていませんでした。
2007年に、従来のG1レースのうち国際グレードを持つレースを引き続き「G1」表記、持たないレースを「Jpn1」表記としました。
2010年までに全ての中央競馬のJpn1レースが国際グレードを取得したため、いずれもG1表記となっています。
また、この年以降に創設・G1へ昇格したレースについても、全てG1表記となっています。
G1競走一覧
開催される月 | レース名 | 開催される競馬場 | 距離 |
2月 | フェブラリーステークス | 東京競馬場 | ダート1600m |
3月 | 高松宮記念 | 中京競馬場 | 芝1200m |
4月 | 大阪杯 | 阪神競馬場 | 芝2000m |
4月 | 桜花賞 | 阪神競馬場 | 芝1600m |
4月 | 皐月賞 | 中山競馬場 | 芝2000m |
4月 | 天皇賞(春) | 京都競馬場 | 芝3200m |
5月 | NHKマイルカップ | 東京競馬場 | 芝1600m |
5月 | ヴィクトリアマイル | 東京競馬場 | 芝1600m |
5月 | 優駿牝馬(オークス) | 東京競馬場 | 芝2400m |
5月 | 東京優駿(日本ダービー) | 東京競馬場 | 芝2400m |
6月 | 安田記念 | 東京競馬場 | 芝1600m |
6月 | 宝塚記念 | 阪神競馬場 | 芝2200m |
10月 | スプリンターズステークス | 中山競馬場 | 芝1200m |
10月 | 秋華賞 | 京都競馬場 | 芝2000m |
10月 | 菊花賞 | 京都競馬場 | 芝3000m |
10月 | 天皇賞(秋) | 東京競馬場 | 芝2000m |
11月 | エリザベス女王杯 | 京都競馬場 | 芝2200m |
11月 | マイルチャンピオンシップ | 京都競馬場 | 芝1600m |
11月 | ジャパンカップ | 東京競馬場 | 芝2400m |
12月 | チャンピオンズカップ | 中京競馬場 | ダート1800m |
12月 | 阪神ジュベナイルフィリーズ | 阪神競馬場 | 芝1600m |
12月 | 朝日杯フューチュリティステークス | 阪神競馬場 | 芝1600m |
12月 | 有馬記念 | 中山競馬場 | 芝2500m |
12月 | ホープフルステークス | 中山競馬場 | 芝2000m |
G2競走一覧
開催される月 | レース名 | 開催される競馬場 | 距離 |
1月 | 日経新春杯 | 中京競馬場 | 芝2200m |
1月 | アメリカジョッキークラブカップ | 中山競馬場 | 芝2200m |
1月 | 東海ステークス | 中京競馬場 | ダート1800m |
2月 | 京都記念 | 阪神競馬場 | 芝2200m |
2月 | 中山記念 | 中山競馬場 | 芝1800m |
3月 | チューリップ賞 | 阪神競馬場 | 芝1600m |
3月 | 弥生賞ディープインパクト記念 | 中山競馬場 | 芝2000m |
3月 | 金鯱賞 | 中京競馬場 | 芝2000m |
3月 | フィリーズレビュー | 阪神競馬場 | 芝1400m |
3月 | スプリングステークス | 中山競馬場 | 芝1800m |
3月 | 阪神大賞典 | 阪神競馬場 | 芝3000m |
3月 | 日経賞 | 中山競馬場 | 芝2500m |
4月 | ニュージーランドトロフィー | 中山競馬場 | 芝1600m |
4月 | 阪神牝馬ステークス | 阪神競馬場 | 芝1600m |
4月 | フローラステークス | 東京競馬場 | 芝2000m |
4月 | マイラーズカップ | 京都競馬場 | 芝1600m |
4月 | 青葉賞 | 東京競馬場 | 芝2400m |
5月 | 京都新聞杯 | 京都競馬場 | 芝2200m |
5月 | 京王杯スプリングカップ | 東京競馬場 | 芝1400m |
5月 | 目黒記念 | 東京競馬場 | 芝2500m |
8月 | 札幌記念 | 札幌競馬場 | 芝2000m |
9月 | 紫苑ステークス | 中山競馬場 | 芝2000m |
9月 | セントウルステークス | 阪神競馬場 | 芝1200m |
9月 | ローズステークス | 阪神競馬場 | 芝1800m |
9月 | セントライト記念 | 中山競馬場 | 芝2200m |
9月 | オールカマー | 中山競馬場 | 芝2200m |
9月 | 神戸新聞杯 | 阪神競馬場 | 芝2400m |
10月 | 毎日王冠 | 東京競馬場 | 芝1800m |
10月 | 京都大賞典 | 京都競馬場 | 芝2400m |
10月 | 府中牝馬ステークス | 東京競馬場 | 芝1800m |
10月 | 富士ステークス | 東京競馬場 | 芝1600m |
10月 | スワンステークス | 京都競馬場 | 芝1400m |
11月 | 京王杯2歳ステークス | 東京競馬場 | 芝1400m |
11月 | アルゼンチン共和国杯 | 東京競馬場 | 芝2500m |
11月 | デイリー杯2歳ステークス | 京都競馬場 | 芝1600m |
11月 | 東京スポーツ杯2歳ステークス | 東京競馬場 | 芝1800m |
12月 | ステイヤーズステークス | 中山競馬場 | 芝3600m |
12月 | 阪神カップ | 阪神競馬場 | 芝1400m |
G3競走一覧
開催される月 | レース名 | 開催される競馬場 | 距離 |
1月 | 中山金杯 | 中山競馬場 | 芝2000m |
1月 | 京都金杯 | 中京競馬場 | 芝1600m |
1月 | シンザン記念 | 中京競馬場 | 芝1800m |
1月 | フェアリーステークス | 中山競馬場 | 芝3600m |
1月 | 愛知杯 | 中京競馬場 | 芝1400m |
1月 | 京成杯 | 中山競馬場 | 芝2000m |
1月 | 根岸ステークス | 東京競馬場 | ダート1400m |
1月 | シルクロードステークス | 中京競馬場 | 芝1200m |
2月 | 東京新聞杯 | 東京競馬場 | 芝1600m |
2月 | きさらぎ賞 | 中京競馬場 | 芝2000m |
2月 | クイーンカップ | 東京競馬場 | 芝1600m |
2月 | 共同通信杯 | 東京競馬場 | 芝1800m |
2月 | ダイヤモンドステークス | 東京競馬場 | 芝3400m |
2月 | 京都牝馬ステークス | 阪神競馬場 | 芝1400m |
2月 | 小倉大賞典 | 小倉競馬場 | 芝1800m |
2月 | 阪急杯 | 阪神競馬場 | 芝1400m |
3月 | オーシャンステークス | 中山競馬場 | 芝1200m |
3月 | 中山牝馬ステークス | 中山競馬場 | 芝1800m |
3月 | ファルコンステークス | 中京競馬場 | 芝1400m |
3月 | フラワーカップ | 中山競馬場 | 芝1800m |
3月 | 毎日杯 | 阪神競馬場 | 芝1800m |
3月 | マーチステークス | 中山競馬場 | ダート1800m |
4月 | ダービー卿チャレンジトロフィー | 中山競馬場 | 芝1600m |
4月 | アーリントンカップ | 阪神競馬場 | 芝1600m |
4月 | アンタレスステークス | 阪神競馬場 | ダート1800m |
4月 | 福島牝馬ステークス | 福島競馬場 | 芝1800m |
5月 | 新潟大賞典 | 新潟競馬場 | 芝2000m |
5月 | 平安ステークス | 京都競馬場 | ダート1900m |
5月 | 葵ステークス | 京都競馬場 | 芝1200m |
6月 | 鳴尾記念 | 阪神競馬場 | 芝2000m |
6月 | エプソムカップ | 東京競馬場 | 芝1800m |
6月 | 函館スプリントステークス | 函館競馬場 | 芝1200m |
6月 | マーメイドステークス | 阪神競馬場 | 芝2000m |
6月 | ユニコーンステークス | 東京競馬場 | ダート1600m |
7月 | ラジオNIKKEI賞 | 福島競馬場 | 芝1800m |
7月 | CBC賞 | 中京競馬場 | 芝1200m |
7月 | 七夕賞 | 福島競馬場 | 芝2000m |
7月 | プロキオンステークス | 中京競馬場 | ダート1400m |
7月 | 函館2歳ステークス | 函館競馬場 | 芝1200m |
7月 | 函館記念 | 函館競馬場 | 芝2000m |
7月 | 中京記念 | 中京競馬場 | 芝1600m |
7月 | アイビスサマーダッシュ | 新潟競馬場 | 芝1000m |
7月 | クイーンステークス | 札幌競馬場 | 芝1800m |
8月 | レパードステークス | 新潟競馬場 | ダート1800m |
8月 | エルムステークス | 札幌競馬場 | ダート1700m |
8月 | 小倉記念 | 小倉競馬場 | 芝2000m |
8月 | 関屋記念 | 札幌競馬場 | 芝1600m |
8月 | 北九州記念 | 小倉競馬場 | 芝1200m |
8月 | 新潟2歳ステークス | 新潟競馬場 | 芝1600m |
8月 | キーンランドカップ | 札幌競馬場 | 芝1200m |
9月 | 札幌2歳ステークス | 札幌競馬場 | 芝1600m |
9月 | 新潟記念 | 新潟競馬場 | 芝2000m |
9月 | 小倉2歳ステークス | 小倉競馬場 | 芝1200m |
9月 | 京成杯オータムハンデキャップ | 中山競馬場 | 芝1600m |
9月 | シリウスステークス | 阪神競馬場 | ダート2000m |
10月 | サウジアラビアロイヤルカップ | 東京競馬場 | 芝1600m |
10月 | アルテミスステークス | 東京競馬場 | 芝1600m |
11月 | ファンタジーステークス | 京都競馬場 | 芝1400m |
11月 | みやこステークス | 京都競馬場 | ダート1800m |
11月 | 武蔵野ステークス | 東京競馬場 | ダート1600m |
11月 | 福島記念 | 福島競馬場 | 芝2000m |
11月 | 京都2歳ステークス | 京都競馬場 | 芝2000m |
11月 | 京阪杯 | 京都競馬場 | 芝1200m |
12月 | チャレンジカップ | 阪神競馬場 | 芝2000m |
12月 | 中日新聞杯 | 中京競馬場 | 芝2000m |
12月 | カペラステークス | 中山競馬場 | ダート1200m |
12月 | ターコイズステークス | 中山競馬場 | 芝1600m |
リステッド競走
国際セリ名簿基準委員会によってパターンレースとして認知された競争は、ICSCが毎年作成する全世界の競走リストに掲載されます。
これらのうち、一定の水準以上のレベルに達しているものがG1~G3に格付けされ、残ったものはリステッド競走と呼ばれます。
リステッド競走を含め、この競走リストに掲載された競争は、国際的な競走馬の取引において、競走馬や種牡馬の戦績を表すために用いることが公認されます。
ブラックタイプ方式と呼ばれるセリ名簿の教示基準では、この競走リストに掲載された競争しか表示が認められず、またグループ・グレードに応じて、より目立つ字体の使用が許されました。
一般にICSCの求める要件として、その競走が国際的に見て出走が自由である、という条件があります。
この条件をクリアできなければどれほど賞金が高くてもG3以上の格付けを得るのは困難となっています。
かつて賞金が世界でもトップレベルだったジャパンカップもこのために格付けを得るのに長い年月を要しました。
イギリスをはじめ、多くの競馬開催国では出走できる要件に年齢・性別以外の条件を付している競争があり、生産国や生産地、取引様態などの制約がある場合には、リステッド競走止まりとなります。
しかし、こうした競走でも、賞金がG1より高額だったりするものもあり、必ずしもICSCの認定格付けと、その競走のレベルの高さが一致するものではありません。
中央競馬では、リステッド競走の格付けは長らく行われてきませんでしたが、2019年より「オープン競走の中で質の高い競走」について、「競走体系上および生産の指標としてグレード競走に次ぐ重要な競走であることを明示する」ため、新たにリステッド競走とすることを決定しています。
なお、リステッド競走の格付け認定は日本グレード格付け管理委員会において審査・承認が行われます。
但し中央競馬におけるリステッド競走はその格付けを得られるレベルのオープン競走の全てでリステッド格付けを得ているわけではなく、興行上の効果をねらって意図的に取捨選択されており、リステッド格付けを得ていないオープン競走のレベルが必ずしもリステッド競走より劣るわけではありません。
また、地方競馬においては国際GI格付を得ている東京大賞典を除くダートグレード競走は国際的には全てリステッド競走として取り扱われています。
なお、日本では、リステッド競走を重賞に次ぐ競走として扱い、重賞には含まれません。
しかし、重賞を本来の「パターンレース」と解釈するならば、当然、リステッド競走も重賞に含まれるでしょう。
まとめ
今回は主に重賞について解説していきました。
重賞レースはあらゆるレースの中でも最高峰に位置するレースです。
重賞レースは他のレースとは比べ物にならないほど賞金が高額になり、重賞レースを複数勝利した馬は種牡馬や繫殖牝馬として活躍できるなど、勝利するメリットがたくさん存在しています。
特に重賞レースの中でも、GIレースは全ての競走馬が最終目標としている最も敷居の高いレースで、競馬場にとっても1大イベントであるほか、レース以外でも様々な催しが開催されたりもします。
まだ競馬場に行ったことがない人は重賞レースが開催される日に競馬場に行ってみると、より一層競馬というものを肌で感じることができると思います。
気になった方は近くで開催される重賞レースなどを調べてみてはいかがでしょうか。