馬主って一体どうなるの?稼げるって本当?
競走馬を所有している馬主って一体どうやったらなれるの?一般人でもなれる?
馬主になるためには様々な条件をクリアする必要がありますが、実は一般の人でも馬主になれることもあります。
今回は馬主について解説となり方について紹介していきたいと思います。
CONTENTS
馬主にはどんな種類があるの?
競走馬のオーナーの事を指している馬主という言葉は聞いたことがあると思います。
この馬主が実は3種類に分けられているというのはあまり知られてません。
なので簡単に紹介していきたいと思います。
個人馬主
文字通り個人で登録している馬主の事を指しており、馬主全体の約85%を占めている最も一般的な登録形態です。
組合馬主
3人以上10人以下の組合人がそれぞれ出資して、共同で馬主活動を行っています。
個人馬主よりも簡単に馬主になることができます。
法人馬主
競馬事業を目的としている法人が馬主登録する馬主の登録する方法。
代表者が個人馬主としての登録条件を満たしているかも見られる上に、法人の財務内容も見られます。
馬主になるための条件とは?
馬主になるための条件とは、何があるのでしょうか?
今回個人馬主に絞って紹介していきたいと思います。
中央競馬の個人馬主の場合
- 継続的に得られる見込みのある所得金が1700万円以上であること
- 保有する資産が7500万円以上であること
- 日本中央競馬会競馬施行規程第7条第1号~第13号に定める事項のいずれにも該当しないこと
こうやって条件を見てみるとかなりお金持ちでないと厳しいというのがわかりますね。
また、宝くじを1等で当てて所得金が1700万円以上あったとしても、継続的に得られる見込みがあるものとしては認められないのでなかなか厳しい条件となっています。
正直に言ってしまえば、日本でもかなり限られた人間しか中央競馬の個人馬主にはなれなさそうですね。
また、中央競馬会競馬施行規程という効き馴染みのない言葉が出てきましたが、これはJRAが主催している中央競馬に関する規約について書かれたものとなっております。
この条件は簡単に紹介するなら禁錮刑以上の確定判決を受けた人や破産者やJRA職員や調教師などといった人は馬主にはなれないということが書かれています。
地方競馬の個人馬主の場合
では今度は地方競馬の個人馬主になるための条件を見ていきましょう。
- 原則として、直近年における所得金額が500 万円以上であること。
中央競馬の馬主のようにお金による条件はあるものの金額は大分抑えられているため、現実的になれそうな部分だと思います。
サラリーマンの方でも地方競馬の馬主だったらすぐに目指せそうですね。
また、ここには条件として記載していませんが地方競馬の馬主も中央競馬の馬主同様に中央競馬会競馬施行規程と同じような条件もありますので、もし地方競馬の馬主になろうと思った方は一度目を通すことをおすすめします。
競走馬ってどうやって所有するの?
馬主になった後どうやって競走馬を所有することになるのでしょうか?
競走馬を購入する方法は2つあるため、紹介していきたいと思います。
セリ市
毎年4〜10月を中心に農業協同組合や日本軽種馬協会、日本競走馬協会などの競馬関連の公益団体などが主催してセリ市が実施されています。
セリの対象になる馬は競走にまだ出れない0~1歳の馬からレースデビューが出来る2歳の未出走馬、現役競走馬や繁殖馬など様々な馬がセリに出ています。
また、馬主事業を撤退するため所有馬をまとめて売却するするセリ市も存在しています。
日本最大のセリ市である「セレクトセール」では主催者側が上場する馬を厳選しているため、他のセリ市では出ることのないような良質馬が上場してサラブレッド流通の活性化を狙っています。
このセレクトセール出身の馬の中には、タイトルホルダーやデアリングタクトといった最近かなり活躍している馬もいます。
庭先取引
セリ市などを介さずに生産者と馬主の間で行われる直接取引のことです。
実は国産の競走馬の8割がこの庭先取引で売買されています。
この庭先取引では、セリとは違い牧場側と馬主側両方が折り合った価格で取引することが出来ます。
また牧場を良く取引をしているお得意様相手にいい馬を回すことでより良い評価を受けることが出来ます。
更にセリなら売れないような馬も取引をすることも出来るという利点もあります。
しかし馬主側からするとデメリットが多いです。
馬主になりたてだと牧場とのつながりがない為、他からの紹介がないと売買しないという牧場があるせいで中々買えないということがあります。
馬主って稼げるの?
馬主には、競走馬が獲得した賞金の8割を受け取れる権利を持っていますが、本当に稼げるのでしょうか?
まずは賞金の種類を見ていきましょう。
本賞
レースに出走した馬の内1~5着に対して交付される賞金のことを「本賞」といいます。
金額はレースのクラスによって異なりますが、G1クラスのレースともなると1着の賞金は1億円を超えることが多いです。
1着だと賞金を全額受け取れますが、2着~5着だと受け取れる賞金が40%、25%、15%、10%と減っていきます。
なのでG1レースで1着になるのは、馬主にとっても重要だと考えられます。
出走奨励金
6~8着までの馬には「出走奨励金」というものが支払われます。
比率は1着の賞金に対して2~8%ほどしかない上、1着よりも一定以上の時間差が付けられている場合は支払われません。
あと一歩届かなかった馬に支払われるものという認識で問題ありません。
特別出走手当
特別出走手当は着順に関わらず、出走した馬に対して支払われます。
金額はレースのグレードによって変わり、更に条件などで加算されたり減額されたりと複雑なものとなっています。
この上で紹介した3種類の賞金以外にも特定条件のレースのみで適応される賞金などがあります。
1年間あたりの平均収入と支出ってどのくらい?(中央競馬の場合)
賞金の種類について見てきてもらいましたが、1年間で競走馬はどのくらい収入と支出があるのでしょうか?
これについてはJRAが計算してくれており、収入については1頭あたり年間収入が約796万円と言うのが出ています。
これだけ見ると稼げているように見えますが、競走馬をレースに出すためには厩舎に預ける必要があります。
そのための預託料を払わないといけませんが、これは1頭1ヶ月あたり70万円ほどかかるため、1年間だと840万円ほどかかる計算になります。
つまり、平均的な競走馬の稼ぎだと赤字になってしまうため、大半の馬主は赤字になっていると言えます。
重賞で安定して1着などを取れる馬を所有している馬主でも、競走馬を購入した分の金額を稼ぐまではしっかりとした黒字とは言えません。
なので、馬主が稼げるというよりはお金を稼いでいる人が馬主になっているからこそ稼げているように見えるのかもしれませんね。
地方競馬の場合は稼げる?
中央競馬の馬主はほとんどの馬主が赤字というのがわかりましたね。
では地方競馬の馬主はどうでしょうか?
実は地方競馬の馬主の9割は赤字という厳しい現実となっています。
預託料は地方競馬の場合だと月に20~30万円と中央競馬に比べると抑えられています。
出走手当は10~20万円となっているため、競走馬が月2回出走するとプラスにはなりますがなかなか難しい話となっています。
まとめ
今回は馬主のなり方と本当に稼げるのかどうかということを紹介してきました。
馬主になるというのは中々難しい条件が多いため、気軽になろうと思ってなれるものではありません。
また、なれたとしても赤字になってしまうことがあるため正直稼ぐために馬主になるというのはお勧めできません。
しかし競馬が好きで馬主になりたいという方は一度目指してみてもいいかもしれませんね。