競馬の外厩って一体何なの?
競馬のことを最近調べてるけど、たまに見かける”外厩”って一体なんなの?調べた感じ予想に関係なさそうな気がするし・・・
確かに一見すると外厩というものが競馬予想に関係ないように思えてしまうかもしれませんね
しかし、外厩について知っておくと競馬予想の精度を上げることが出来ますよ
今回は外厩というものについてを紹介と競馬予想との関係、どんな外厩があるのかの解説していきたいと思います。
外厩とは?
外厩とは、JRAが管轄しているトレーニングセンターの外にある厩舎の事を指しており、民間企業や牧場が運営しています。
読み方は「がいきゅう」です。
外厩のメリットとは?
ではなぜ外厩というものが生まれたのかというと様々な理由が考えられます。
まず考えられることとして、JRAに所属している調教師が預かれる競走馬と厩舎に置いておける馬の数に制限があることです。
JRAの制度に厩舎の成績に応じて馬房の数が変動する「馬房のメリット制」というものが存在しており、各調教師は結果を出さないと使える馬房が減ってしまいます。
更にレース出走10日前(レースに出走したことが無い馬は15日前)には競走馬を厩舎に置いておかないといけないというルールも存在しているため、レースを出走させるための馬を馬房で管理しながらも沢山出走させなければなりません。
そのため、次のレースまで間隔が空いている馬を厩舎に置いておくのが難しくなり、その結果外厩に調教を任せるということになります。
その次に考えられるのが馬主の都合についてです。
馬主は調教師と契約を行い、所有している競走馬を厩舎に入厩させます。
その厩舎に入厩している間は馬の管理費用を調教師に支払う必要がありますが、外厩に入厩している場合はその外厩先に馬の管理費用を支払うことなります。
外厩先に支払う費用は、調教師に支払う費用に比べて安いとされています(もちろん一部の外厩の費用は高いということもあるようですが)
外厩と競馬予想の関係
競馬予想に外厩は何か影響はあるのでしょうか?
結論から言うと競馬予想にはかなり影響があります。
競馬新聞の記者たちは調教についての情報を新聞に書いていますが、あくまでトレセンや競馬場の取材の出来る範囲の情報で見られた調教のみだけです。
そのため、外厩で調教が上手く行っていたのかどうかというのは、トレセンに戻ってきてからの調教と追い切りの内容をみて判断する必要があります。
外厩の情報はどこで見れるの?
外厩の重要性について解説をしてきましたが、そんなに重要な情報なら知りたいと思うのは当然だと思います。
なのでここでは、外厩の情報を知ることが出来るサイトについて紹介していきたいと思います。
馬トク(UMATOKU)
馬トクはスポーツ報知が運営しているWebサイトで、予想に役立つ出馬表や成績表を公開しています。
馬トクは無料会員登録でも利用することはできますが、外厩情報を見るためには有料会員になる必要があります。
有料会員の金額は1日300円から4週で2200円とそれほど高くないため、気軽に試せそうですね。
また、調子のいい外厩を発見できる機能や独自の指数など競馬予想をするのに便利な機能があるようなので、気になる方は登録してみるのもいいかもしれません。
JRDB
JRDBは株式会社 ジェイ・アール・デー・ビーが運営しているWebサイトで、1998年から運営を行っている老舗サイトとなっています。
JRDBは外厩以外にも馬柱などの競馬予想に役立つ情報や予想コラムも更新されているようなので競馬初心者の人から競馬玄人の方でも利用しやすいサイトかもしれません。
月額1,980円と競馬で当てられるのなら全然気にならない金額で有料会員になれますが、無料で各場1レース限定ですがデータなどを見れるのでまず無料で確かめてから登録するのはいいかもしれません。
外厩競馬.com
外厩競馬.comは、主にノーザンファーム天栄・しがらきで調整していた競走馬の外厩情報をまとめているサイトとなっています。
無料会員では1レースから6レース目までしかチェックできず、12レースまでチェックしたい場合は有料会員になる必要があります。
月額が最低でも2,750円ほど(初回は2ヶ月分一括支払いなので5,500円)と他二つに比べると高いです。
しかし、6レース目まではしっかりと外厩の情報を手に入れることができるサイトなので、6レース目まで見て精度に問題がなさそうだったら登録してみるのもいいかもしれません。
以上のように外厩についての情報を公開しているサイトについて紹介していきました。
外厩の情報は競馬新聞などに載っていないため、こういったサイトを活用して集める必要があるので、もし外厩の情報を予想に組み込みたくなった場合は上記のサイトを活用することをおすすめします。
外厩ってどのくらいあるの?一部を紹介!
ここでは、外厩はどこにあるのかや設備などについて一部ですがまとめてみました。
社台系
社台系の外厩は、東に山元トレーニングセンター、西ではグリーンウッド・トレーニング甲南馬事公苑を社台ファーム所属馬の利用施設に指定しています。
山元トレーニングセンター
所在位置 | 宮城県亘理郡山元町坂元一ツ橋 |
開設時期 | 1992年 |
主な施設 | ・厩舎 ・屋外坂路 ・屋外ウッドチップ周回コース ・練習用ゲート ・ウォーキングマシーン ・トレッドミル ・ダート角馬場 |
山元トレーニングセンターは、宮城県にある社台ファームの関連施設で主に社台ファーム生産馬と追分ファーム生産場の育成と休養を行っています。
1992年に開設されましたが2020年に坂路コースの改修が行われているなど、時代に合わせて施設もどんどん改善しているようです。
グリーンウッド・トレーニング甲南馬事公苑
所在位置 | 滋賀県甲賀市甲南町稗谷 |
開設時期 | 2001年 |
主な施設 | ・厩舎 ・全周1000mのトラック ・屋根付き坂路 ・ウォーキングマシン ・診療所 |
グリーンウッド・トレーニング甲南馬事公苑は、株式会社グリーンウッドパークが運営しているトレーニングセンターです。
栗東トレセンから車で約30分ほどの距離にあるため、栗東トレセンの厩舎所属も多く利用しています。
また、社台ファームは2023年6月に新しい外厩を三重県鈴鹿市に開設するため、どのような施設になるのかどうか注目ですね。
ノーザン系
ノーザン系の外厩には、東にノーザンファーム天栄、西にノーザンファームしがらきが存在しています。
ノーザンファーム天栄
所在位置 | 福島県岩瀬郡天栄村 |
開設時期 | 2011年 |
主な施設 | ・厩舎 ・屋外坂路 ・屋外1200m周回コース ・角馬場2面 ・屋根付きウォーキングマシーン ・トレッドミル |
ノーザンファーム天栄は、福島県にあるノーザンファームの関連施設で、主に美浦に所属しているノーザンファーム関係の馬が利用しています。
美浦トレセン、栗東トレセンにも劣らない設備を持っており「第二のトレセン」と呼ばれることもあります。
ノーザンファームしがらき
所在位置 | 滋賀県甲賀市信楽町神山 |
開設時期 | 2010年 |
主な施設 | ・厩舎 ・屋外800m坂路コース ・屋外900m周回コース ・角馬場2面 |
ノーザンファームしがらきは、滋賀県にあるノーザンファームの関連施設で、主に栗東に所属性ているノーザンファーム関係の馬が利用しています。
用意されている坂路の高低差は39.7mと栗東トレセンやノーザンファーム天栄にある坂路よりも高低差が激しくなっています。
また、栗東トレセンから車で約30分と近い場所にあるのも特徴です。
その他
社台系のグループとは関係ない会社が運営を行っている外厩も存在しています。
吉澤ステーブルWEST
所在位置 | 滋賀県甲賀市信楽町 |
開設時期 | 2012年 |
主な施設 | ・厩舎 ・700mの屋根付き坂路コース ・角馬場 ・Treadmill ・馬用全身振動機器 |
吉澤ステーブルEAST
所在位置 | 茨城県稲敷郡阿見町 |
開設時期 | 2013年 |
主な施設 | ・厩舎 ・800m周回ダートコース ・650m坂路ポリコース ・ウォーキングマシン ・サンシャインパドック |
吉澤ステーブルは、北海道浦河郡浦河町にある本場を基盤としている会社です。
元々福島に牧場を構えていましたが2011年の震災で被災してしまったため、2012年に吉澤ステーブルWEST、翌年2013年に吉澤ステーブルEASTを開設したという歴史があります。
ゴールドシップの育成を行ったのもこの吉澤ステーブルですね。
宇治田原優駿ステーブル
所在位置 | 京都府綴喜郡宇治田原町 |
開設時期 | 2002年 |
主な施設 | ・厩舎 ・全長870m坂路Aコース ・全長800m坂路Bコース ・ダートトラックコース ・ウッドチップトラックコース |
宇治田原優駿ステーブルは、京都府綴喜郡宇治田原町にある外厩で、夏は涼しく冬は比較的暖かいという年間通して穏やかな気候になっているのが特徴です。
宇治田原優駿ステーブルの育成馬には、キタサンブラックやコパノリッキーなどの有名馬がいます。
大山ヒルズ
所在位置 | 鳥取県西伯郡伯耆町 |
開設時期 | 2003年 |
主な施設 | ・厩舎 ・800m坂路ウッドチップコース ・800m周回ダートコース ・ウォーキングマシン ・トレッドミル |
大山ヒルズは、鳥取県西伯郡伯耆町にある外厩で、ノースヒルズグループの競走馬のトレーニング施設となっています。
ノースヒルズの生産馬で有名馬と言えば、2013年に日本ダービーで1着になったキズナや2020年に三冠を達成したコントレイルなどがいます。
チャンピオンヒルズ
所在位置 | 滋賀県大津市伊香立下在地町 |
開設時期 | 2020年 |
主な施設 | ・厩舎 ・1000m坂路ウッドチップコース ・1000m坂路フェルトダートコース ・トラック1100mダートコース ・トラック1000mフェルトダートコース ・角馬場 ・トレッドミル ・ウォーキングマシーン |
チャンピオンズヒルズは、滋賀県大津市伊香立下在地町にある外厩で、2020年に開場と他の外厩に比べると新しめの施設ですね。
総面積がノーザンファームしがらきや、グリーンウッド・トレーニング、吉澤ステーブルWEST、宇治田原優駿ステーブルを凌いで、関西で最大規模の外厩のようです。
外厩四天王ってなに?
外厩について調べていると検索候補に「外厩 四天王」というものが出てきて謎に思った方がいらっしゃると思います。
しかし、いざ調べてみても「外厩を使うのが上手い厩舎」を指す言葉だというところまで分かっても、どの厩舎が四天王に含まれているのかまでは書かれていません。
なので、ここでは私が調べた限りの外厩四天王を紹介していきたいと思います!
天栄四天王
ここでは「ノーザンファーム天栄」の四天王を紹介していきます。
- 木村厩舎
- 国枝厩舎
- 大竹厩舎
- 萩原厩舎
木村厩舎はジオグリフやイクイノックスなどの近年活躍をしている名馬たちを管理している木村哲也調教師が運営している厩舎です。
ノーザンファーム天栄の関係者と密に連絡を取って調整を行っているようなので、かなり天栄の調教を信用しているようですね。
国枝厩舎は、美浦にある厩舎ですが栗東トレセンに滞在させてそこで調教を行う通称「栗東留学」のパイオニア的な存在である国枝栄調教師が運営している厩舎です。
アーモンドアイやアカイトリノムスメ、サークルオブライフといった牝馬を管理している厩舎なので聞いたことある方もいらっしゃるかもしれませんね。
大竹厩舎は、大竹正博調教者が運営している厩舎で2018年有馬記念優勝馬ブラストワンピースやソーヴァリアントなどの馬を管理しています。
2020年に禁止薬物であるカフェインが検出されてしまい、2か月間調教停止という処分を受けてしまいましたがこれからに期待できる厩舎ですね。
萩原厩舎は、萩原清調教師が運営している厩舎で、2021年の安田記念優勝馬であるダノンキングリーなどを管理しています。
しがらき四天王
次は「ノーザンファームしがらき」の四天王を紹介していきます。
- 安田厩舎
- 西村厩舎
- 松永厩舎
- 高野厩舎
安田厩舎は、安田隆行調教師が運営している厩舎でロードカナリアやダノンスコーピオンなどの有名馬の管理を行っていました。
調教師になる前は騎手をやっていましたが、トウカイテイオーに騎乗していました。
西村厩舎は、西村真幸調教師が運営している厩舎で2015年に開業しました。
G1レースを優勝している馬はまだいませんが、しっかりと成績を残せる馬も多くいるためこれからに期待できる厩舎ですね。
松永厩舎は、松永幹夫調教師が運営している厩舎で2020年の大阪杯、エリザベス女王杯の優勝馬であるラッキーライラックなどを管理しています。
松永幹夫調教師も元々騎手をやっており、史上15人目のJRA通算1000勝目を達成した優秀な騎手でした。
高野厩舎は、高野友和調教師が運営している厩舎で2021年大阪杯の優勝馬レイパパレ、2022年秋華賞優勝馬のスタニングローズなどを管理しています。
牝馬に強い厩舎と呼ばれるほど強い牝馬を育成しているので、自分が予想するレースに高野厩舎の牝馬がいたら要チェックですね。
まとめ
ここまで外厩についての解説や外厩についての情報の紹介をしていきました。
外厩というのは最近の競馬には大きく影響を与えている部分であるため、外厩というものを知らないと自分の予想と実際の仕上がり具合などにズレが起きてしまう可能性があります。
これから競馬を始めるという人にはあまりピンとこないかもしれませんが、それほどまでにレース結果に影響があるのが外厩という存在です。
にも関わらず外厩の情報は競馬新聞などには載っていない為、自分から外厩情報を調べないと知ることが出来ない情報となっています。
そういった新聞などに載っていないような情報もしっかりと抑えていくことが、競馬で稼ぐ副業への第一歩だと思います。