ロードカナロアって何?経歴は?種牡馬としての成績や産駒についても解説!

ロードカナロアって何?経歴は?種牡馬としての成績や産駒についても解説!

ロードカナロアって何?

ロードカナロアは、日本の競走馬・種牡馬で、主な勝ち鞍は2012年・2013年のスプリンターズステークス、香港スプリント、2013年の高松宮記念、安田記念です。

日本馬にとって「鬼門」、あるいは「凱旋門賞級に難しいレース」とも言われていた香港スプリントを2012年に日本馬として初めて制し、さらには翌年連覇を達成。

現役時代は全19戦において1600m以下のレースに出走し、1つのミスが結果に直結するスプリント界において生涯3着以内を守り、現役を退くまで上記の香港スプリント連覇を含む短距離GI競走6連勝を挙げています。

引退レースとなった香港スプリントでの5馬身差圧勝により獲得したワールドベストレースホースランキング(WBRR)のレーティング128ポンドは、日本馬のスプリント区分における史上最高値となっています。

2012年と2013年に最優秀短距離馬に、2013年に年度代表馬に、引退後の2018年にJRA顕彰馬に選定されました。

2014年の種牡馬入り後は初年度から牝馬三冠を達成し、日本調教馬歴代最多となる芝GI9勝を挙げたアーモンドアイを筆頭とする重賞勝利産駒を多数の実績を上げています。

馬名の由来は冠名+ハワイに伝わる海の神です。

今回は、そんなロードカナロアについてご紹介していきたいと思います。

競走馬時代

父はキングカメハメハで、現役時代に通算8戦7勝、2004年のNHKマイルカップと東京優駿を制しています。

種牡馬として2010、2011年に2年連続でリーディングサイアーとなりました。

母はレディブラッサムで、現役時代に通算24戦5勝、芝とダートの短距離で勝利を挙げたサムシングロイヤル牝系の良血馬です

その母サラトガデューは現役時代にアメリカで走り通算11戦8勝、1992年のベルデイムステークス(米G1)とガゼルステークス(米G1)を制し、同年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬に選出されました。

母レディブラッサムは悍性が強いためロードカナロアも気の強さを表すかと思われたが、そこまでの存在感を示すことはなかったと、ロードカナロアを生産したケイアイファームの小森忠夫場長は語っています。

ただ当時からロードカナロアの体格はガッチリしていたといい、気性が闘争心や勝負根性に転化されてロードカナロアへ受け継がれたのではないかと、ケイアイファームの繁殖スタッフを務めた杉山寿広は語っています。

戦績

2010年12月5日、小倉競馬場芝1200mの新馬戦に鞍上古川吉洋で出走。

単勝オッズ1.2倍の断然人気に推され、好スタートから先頭に立つと、直線では楽な手応えで後続との差を広げ、6馬身差の勝利でデビュー勝ちを飾っています。

2011年の年明け初戦は前走から一気に400mの距離延長となる1月5日中山のジュニアカップ(OP)に鞍上蛯名正義で出走し、1番人気に推されたもののゴール手前で外から差し切られて2着。

1400m戦となった1月29日京都の500万下競走(鞍上福永祐一)では3戦連続となる逃げの手を打ちましたが、再びゴール前で差されて2着に終わっています。

その後は距離を1200mに戻し、4月16日小倉のドラセナ賞(500万下)に鞍上北村友一で出走し、単勝オッズ1.3倍の圧倒的支持を集めると、直線では後続を突き放し3馬身差の快勝で2勝目を挙げました。

続く5月14日京都の葵ステークス(OP)を二番手追走から直線半ばで抜け出し1番人気に応えて連勝を飾ると、鞍上が福永に戻った11月6日京都の京洛ステークスでは初の古馬戦、初の稍重馬場となったが1番人気に推され、中団から前を差し切ってオープン特別を連勝しました。

さらに11月26日の京都の京阪杯(GIII)では重賞初挑戦ながら単勝オッズ1.6倍の支持を受け、好位追走から前を捉えて優勝。

4連勝で重賞初勝利を挙げました。

2012年年明け初戦は1月28日京都のシルクロードステークス(GIII)に単勝オッズ1.4倍の圧倒的支持で出走し、中団追走から直線で外に持ち出して逃げ馬を差し切り5連勝で重賞2勝目をマーク。

1200m戦では6戦無敗となり、管理調教師の安田隆行は「57キロでこの伸びは本物、末恐ろしいです」とコメントしました。

初のGI出走となった3月25日中京の高松宮記念(GI)ではデビューから9戦連続となる1番人気に推され、1枠1番の好枠から出走し、直線では内を突いて前を追ったものの差を詰め切れず、同厩舎所属で前年のスプリンターズステークス(GI)優勝馬カレンチャンの3着に敗れ、初めて連対を外すこととなりました。

なお、本馬がキャリアの中で連対を外したのはこのレースが唯一でした。

6月17日函館の函館スプリントステークス(GIII)も前走に引き続き、1枠からの発送となり単勝オッズ1.3倍の支持を集めましたが、直線入り口で前が塞がって外に持ち出す展開となってしまい、好位置から競馬を進めていたドリームバレンチノの2着に終わっています。

この結果を受け、陣営はここで福永から岩田康誠への乗り替わりを決めました。

秋の初戦はスプリンターズステークスへの叩きとして、9月9日阪神のセントウルステークス(GII)に出走。

船団追従から直線半ばで先頭に立ちましたが、最後は外から差し切られ2着となりました。

迎えた9月30日中山スプリンターズステークスは大外16番枠からの発送となったこともあり、1番人気を前走セントウルステークス4番のカレンチャンに譲ることとなり、デビューからの連続1番人気記録が11で途絶えました。

なお、日本国内のレースで本馬が1番人気以外で出走したのはこのレースが唯一でした。

レースでは中団に位置を取ると、直線で外から猛然と追い込み、最後は内のカレンチャンを一気に交わして優勝。

中山1200mのコースレコード(1分6秒7)でGI初制覇を飾りました。

その後は年内最終戦として12月9日香港・沙田の香港スプリント(GI)にカレンチャンと共に出走。

同レースは、日本馬が好走を続ける香港国際競争において唯一日本馬が結果を残せていないレースで、2011年までに計13頭のスプリンターが挑戦して前年のカレンチャンの5着入線が最高着順という結果でした。

その中で同馬は、香港スプリントの連覇を狙う1番人気ラッキーナイン、ジョッキークラブスプリント(G2)でのラッキーナインの2着馬である2番人気タイムアフタータイムに続く3番人気に推されました。

レースでは、好スタートから3番手に位置を取って競馬を始めると、直線では好位から抜け出して押し切り、2着セリースチェリーに同レース歴代2位の着差となる2馬身半差をつけて観賞。

G1連勝を飾ると共に、日本調教馬による同競走初制覇を達成し、「凱旋門賞制覇にも匹敵する歴史的勝利」と称されました。

レース後、鞍上の岩田は「この馬が通用しなければ、来年も再来年も、どんな日本のスプリンターズが来ても勝つことは難しい。ロードカナロアでこのレースに勝ちに来て、この馬の強さは証明できた」とコメントしました。

安田調教師は、「世界一のレースだと思っていたこのレースを勝てて、夢のよう…」と語っています。

2013年アラブ首長国連邦・メイダンのドバイゴールデンシャヒーン(G1)から招待状が届いたことにより出走が検討されていましたが、長距離輸送のリスクと前年、高松宮記念を惜敗していることなどからこれを見送り、阪急杯で始動後、高松宮記念へ向かうことが発表されました。

そして年内初戦の2月24日阪神の阪急杯(GIII)では香港スプリントで圧勝した実績を見込まれ、11戦ぶりの1400m戦となったものの単勝オッズ1.6倍の圧倒的な指示を受けて出走。

先行集団から離れた5番手に位置を取って直線半ばで先頭に立ち、後続を振り切って優勝しました。

続く3月24日中京の高松宮記念でも1.3倍の1番人気に支持されました。

レースではスタートで少し出遅れたため、中団より進める形となりましたが、最後の直線で追い出されるとすかさず加速し、逃げ粘るハクサンムーンをかわして先頭に立ち、ドリームバレンチノに1馬身1/4差をつけて快勝。

史上初となるスプリントGI3連勝を挙げました。

高松宮記念の後は実に14戦ぶりとなるマイル戦の6月2日東京の安田記念(GI)に挑戦する事が発表され、混戦規模ながら単勝オッズ4.0倍の1番人気での出走となりました。

本番では中団待機から直線で馬場の真ん中を割るように抜け出して勝利、「2階級制覇」を達成しGI通算4勝目を挙げました。

この一戦でさらに海外からの注目を集めることとなり、レース後には安田調教師に対する海外のプレスからの「香港マイルと香港スプリントのどちらを選ぶのか」という質問が相次ぎました。

秋緒戦となった9月8日阪神のセントウルステークスは58㎏の斤量を課され、サマースプリントシリーズ優勝を狙っていたハクサンムーンの逃げ切りの前に2着に敗れました。

その後、「負ければ引退」との思いで踏んだ9月29日なかやまのスプリンターズステークスに単勝オッズ1.3倍で出走、レースでは前半と同じハクサンムーンが逃げる展開の中で5、6番手を追走し、ゴール200m手前で末脚を発揮すると先頭を差し切って優勝。

サクラバクシンオー以来19年ぶりとなる連覇を果たすと同時に、フラワーパーク、トロットスター、ローレルゲレイロに次ぐ史上4頭目の同一年春秋スプリントGI連覇を達成し、更には史上初となる国内スプリントGI3勝、短距離GI5連勝を達成しました。

引退レースとして12月8日沙田の香港スプリントに出走、現地でも1.8倍の圧倒的な支持を集めました。

レースでは好位の外を追走すると直線半ばで先頭に立ち、そのまま後続との差を広げ続け、最終的に2着ソールパワーに6ハロン戦としては異例、同レース史上最高着差となる5馬身差をつけて圧勝しました。

日本馬として史上初の連覇を果たして有終の美を飾りました。

このレースのパフォーマンスはワールドベストレースホースランキングにおいて128ポンドとの評価を受け、スプリント区分ではオーストラリアで25戦全勝の戦績を残し当年に引退した名スプリンター・ブラックキャビアの130ポンドに次ぐ世界2位の高評価となりました。

欲2014年1月7日、2013年度の最優秀短距離馬に万票で選出され、更には最優秀4歳以上牡馬に選出されていたオルフェーブルを抑えて年度代表馬にも選ばれました。

1600m以下を主戦場とした競走馬の年度代表馬選出は1998年のタイキシャトル以来史上2頭目であり、1200mを主戦場としたスプリンターとしては初の快挙となりました。

2014年1月13日に京都競馬場で引退式が行われました。

ロードカナロア産駒

これまで数多くの優秀な競走馬を生み出しているロードカナロアですが、仔である産駒はどのような特徴を持っているのでしょうか。

特徴

ロードカナロアが一流のスプリンターだったため、産駒も短距離でデビューする馬が多くなっています。

しかしロードカナロアのように短距離が得意な産駒は多くない印象です。

多くの産駒が成績を残しているのは、1600m~2000mの中距離で、1200m以下の短距離は成績が良くない傾向にあるようです。

最も特徴的なのはスピードで、ロードカナロアのスピード冠を受け継いでいる馬が多くなっています。

ダートでも悪く無い成績を残していますが、どちらかと言えば芝向きの産駒がおおいのが特徴です。

ロードカナロア産駒の成績

ロードカナロア産駒は2020年4月の時点で711頭にものぼります。

その中で中央競馬での勝利経験がある産駒は296頭、重賞勝利馬は12頭、G1勝利馬は3頭という大きな記録を打ち出しています。

アーモンドアイサートゥルナーリアといった有名な産駒が多いのも納得の結果と言えるのではないでしょうか。

代表的なロードカナロアの産駒

ロードカナロア産駒の中でも優秀な成績を残し、オードカナロアの評判を下げている競走馬についてご紹介します。

アーモンドアイ

2015年生まれのアーモンドアイは、ロードカナロアが種牡馬として評価されるようになった大きな要因の一頭です。

牝馬三冠を獲得しただけでなく、第38回ジャパンカップでは2分20秒6というとてつもない記録を叩き出し、世界レコードを更新しました。

父であるロードカナロアだけでなく、母のフサイチパンドラもエリザベス女王杯(GI)で勝馬とななっている優秀な血統の為、今後の活躍が更に期待される競走馬となっています。

ステルヴィオ

アーモンドアイと同じく2015年生まれの競走馬です。

2017年に新馬戦でデビューした際には1番人気で、その期待に応えて1分34秒8という好タイムで快勝します。

この勝利がロードカナロア産駒で初めてJRA勝利となり、話題となりました。

更には3歳でマイルチャンピオンシップを勝つという活躍をし、アーモンドアイと同じくロードカナロア産駒の評価を上げている1頭と言えます。

ダノンスマッシュ

2015年生まれの競走馬で、他のロードカナロア初年度産駒と同じく活躍している競走馬です。

3歳前半までは勝てないレースが続いていましたが、11月25日の京阪杯では重賞初制覇をし、父ロードカナロアと共に父子制覇となりました。

翌年2019年のシルクロードステークスでも1番人気という期待に応え快勝。

ここでも父と同じく連勝を決めるのです。

5歳の初戦ではオーシャンステークスに出走し、ライバルとされていたタワーオブロンドンを迎えて優勝します。

始めは出遅れが見られましたが、しっかりと立て直して先頭に1馬身半の差をつけた走りが評価をされています。

サートゥルナーリア

サートゥルナーリアは2016年産まれで、母がシーザリオ、兄がリオンディーズ、エピファネイアという血統に恵まれた競走馬です。

2歳新馬戦で1着になると、さらに萩S、ホープフルSと快勝を続けていきます。

3歳初戦となった皐月賞を無敗のまま制し、ディープインパクト以来の快挙として話題になりました。

さらに2020年3月15日に行われた金鯱賞では、左回りなどが不安視されていましたが、1番人気に応え重賞4勝目を挙げました。

このまま良い調子を持続することが期待されています。

まとめ

今回の記事では、ロードカナロアについてご紹介していきました。

香港で龍王と呼ばれるほどの走りを見せたロードカナロアは現在も多くの競馬ファンから愛されています。

さらに超一流スプリンターであるロードカナロアの体格や走りは産駒たちにも受け継がれています。

ロードカナロアについて気になった方は是非チェックしてみてください。

本間真一郎

1978年12月22日生。東京大学経済学部中退。 某大手商社で役職に就く典型的なエリートでかなりの知的派。その一方で趣味の競馬歴は既に20年を超えており、2021年のエリ女で3連単を的中させたことを未だに友人に自慢している。 好きな馬はもちろんアカイイト。 趣味は車とウイスキー。最近横浜にバーを開店させたオーナーとしての一面もある。 好きな言葉は「明日の百より今日の五十」。

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