競馬予想でよく聞く「追い切り」とは?タイムの見方からまで解説します!

競馬予想でよく聞く「追い切り」とは?タイムの見方からまで解説します!

 

追い切りって?

追いきりとは、レース直前週の水曜日か木曜日に行われる実戦を想定した調教のことを指している言葉で、レース前の最終調整を兼ねています。

この記事を読んでいる皆さんも競馬予想の見解などを見たり、予想をするために競走馬の情報を集めている時に「追い切りタイム」という言葉を目にしたと思います。

「追い切りタイム」は、そのまま上記で説明した追い切り時のタイムを指している言葉で、前走に比べていい動きができそうなのか、前走と変わらない動きなのかといった部分がわかるため、レース当日になる前から有力馬を絞り込むことが出来ます。

しかし、競馬予想などに書かれていてもよくわからない数字ばかりが書いてあるようにしか見えない為、競馬予想を始めたばかりの方は読み飛ばしてしまうことがあります。

読み飛ばしたばかりに有力馬を見落としてしまうという事態にもなり得るので、この記事では追い切りタイムの見方やどこで有力馬を判断するのかという部分を解説していきたいと思います!

追い切りタイムの見方

では早速追い切りタイムの見方について説明していきたいと思います。

まずはこちらを見てください

馬名コース/馬場4F3F2F1F調教内容
ソダシ栗東坂路/良54.940.025.912.9馬なり

これはソダシが2020年の阪神ジュベナイルフィリーズに出走した時の最終追い切りタイムです。

各部分の説明をしていきます。

コース/馬場について

コース/馬場では、「どんな馬場」の「どこのコース」で追い切りを行ったのかが書いてあり、上記の追い切りだと「良馬場」の「栗東にある坂路コース」で追い切りを行ったということになります。

「どこのコース」というのは特に重要ですが下で解説するため、ここでは触れていきません。

その右にある数字の羅列は一度置いておいて、調教内容の部分について説明します。

調教内容

この部分では、追いきりで馬に乗っている方がどのくらいの強さで調教を行っていたのかが書かれている部分になっています。

しかし、どのくらいの強さだったのか知りたくても「馬なり」や「一杯」と意味を知らないとわからない部分があるのでわかりやすく表にしてみました。

単語意味
馬なり(馬也)手綱をほとんど使わず、馬の赴くまま走らせる
強めある程度手綱を使って、馬を走らせること
一杯手綱を使って、全力に走らせること

ちなみに最終追い切りがどのくらいの強さで行われていたかどうかは、「トラックマン」と呼ばれるトレーニングセンターを取材している競馬新聞の記者の方が傍から見てどう思ったのかで書いているため、各新聞によっては少しブレがあったりします。

タイムについて

いよいよ追い切りで重要な部分であるタイムの見方について解説します。

タイムの部分の上に書いてある4FのFというのはハロンという距離を指す単位であり、日本ではあまり聞き馴染みのない単位となっています。

わかりやすくするためにメートルに換算すると1ハロン=約200メートルとなっているため、4Fというのは800メートルということになります。

下に書いてあるのは、その場所からゴールまでにかかった時間といるため、例で出した追い切りを見てみるとソダシは800メートルを54.9秒で走ったということになります。

1Fの場合、200メートルを12.9秒で走ったということなります。

ちなみに、調教の強さは各競馬新聞の記者が独断で付けたものですが、タイムについてはしっかりとトレセンにある自動計測機で出しているのでどこの競馬新聞も追い切りタイムだけはズレません。

さて、各部分の簡単な解説が終わったところでもう一度ソダシの追い切りタイムを見てみましょう。

馬名コース/馬場4F3F2F1F調教内容
ソダシ栗東坂路/良54.940.025.912.9馬なり

このデータでは、「良馬場の栗東坂路コースでソダシは赴くまま走って4Fからゴールまでが54.9秒、1Fからゴールまでが12.9秒」ということがわかりますね。

ではこの追い切りタイムをどのように競馬予想に使うのかというのを解説していきたいと思います。

追い切りタイムの予想の参考にする方法!

追い切りタイムの見方が分かったところで、ここからは追い切りをどのようにして予想の参考にするのかを解説していきたいと思います。

主に追い切りを参考にする部分はこの2点!

  1. 前走の調教タイムと傾向
  2. 調教場所

1つずつ解説していきます。

前走の調教タイムと傾向

追い切りを予想の参考にする場合、対象レースの追い切りだけではなく前走での追い切りタイムと見比べる必要があります。

前走の追い切りタイムが良かったのにも関わらずレース結果があまり良くないということになると、いくら追い切りが前走よりもいいタイムになったとしても次のレースでも同じ結果になってしまう可能性があります。

逆に、前走の追い切りのタイムはあまり良くないのにレース結果が良かった場合、追い切りタイムが前走に比べて良くなっていると馬券に絡むかもしれないと期待ができます。

もちろんレース展開などの要素が深く絡み合っているのが競馬の為、追い切りタイムだけでは予想を行うことは出来ませんが、このように追い切りタイムは予想するレースの分だけではなく、前走での追い切りと結果と見比べることで初めて追い切りが競馬予想に使えるようになるとボクは考えています。

調教場所

追い切りタイムが同じくらいでも調教を行うトレーニングセンターにはコースが複数あるため、それぞれのコースの特徴的にそのタイムが本当に速いのかどうかを確認することが大事です。

また、トレーニングセンターも栗東トレセンと美浦トレセンの二つが存在しており、それぞれのトレセンのコースにも特徴があるため、ただタイムを比べて早い方の調子がいいと思ってしまうと実はそんなことはなかったということになる可能性があります。

そのため、追い切りではタイムも重要ですがどのコースを走った時のタイムなのかどうかもしっかりと考慮する必要が出てきます。

では栗東トレセンと美浦トレセンではどのような違いがあるのかを見ていきたいと思います

栗東トレセンについて

栗東トレセンは、その名の通り滋賀県栗東市にあるトレーニングセンターの事を指しています。

栗東トレセンには、6つの平地コースと坂路コースの計7コースが存在しており、その中で追い切りで使用されるコースは以下の4つとなっています。

  1. 坂路コース
  2. ウッドチップコース(CWコース )
  3. ポリトラックコース(Pコース)
  4. ダートコース(Bコース)

坂路コースは、急な傾斜がしっかりと最後まで続いているため馬に負担が大きく掛かるため、他のコースに比べるとタイムが遅くなってしまいます。

しかし逆に言えば、いいタイムを出せる馬はそれだけで良い脚を持っている馬だと考えられるため、栗東坂路で調教行ってる馬がいた場合はしっかりとタイムをチェックしておく方がよいと思います。

そんな坂路コースの参考になるタイムは以下の通りになります。

4F3F1F
53.338.812.6

2番目に人気なのはウッドチップコースで、坂路コースに比べると傾斜はないものの距離が長いのと3頭で併走する3頭併せが出来るのが人気の理由だと考えられます。

もし、自分が注目している馬が併走をしていたらタイムだけではなく、映像でもチェックしてどんな雰囲気で走っているか確認することも重要になってきます。

ウッドチップコースの参考タイムはこちらです。

6F5F4F3F1F
82.166.652.038.112.1

ポリトラックコースは、かなり速い調教タイムが出てしまうという特徴があるため、タイムだけを見てこの馬はかなり速い!と考えてしまうとレース予想で失敗してしまうかもしれません。

なのでポリトラックコースでの追い切りを行っている馬がいたとしたらあまり追い切りはあまり参考にせずに他の要素で予想した方がいいかもしれません。

また、ポリトラックは天候による馬場の影響も少ないため、他の馬場が悪くてもポリトラックコースのタイムはあまり影響が出ないので、こういったトラックの材質の特徴も頭に入れておくことが重要です。

ポリトラックコースの参考タイムは以下の通りです。

6F5F4F3F1F
79.464.350.237.011.7

ダートコースで追い切りを行われることがあまりない上、ポリトラックコースと同様に速いタイムが出やすいのが特徴です。

ダートコースの追い切りの参考タイムは以下の通りです。

6F5F4F3F1F
80.465.450.837.311.7

美浦トレセンについて

美浦トレセンは、茨城県稲敷郡美浦村にあるトレーニングセンターの事で栗東トレセンよりも広いのが特徴です。

美浦トレセンで追い切りに使われるコースも4つと言えます。

  1. 坂路コース
  2. ウッドチップコース(Wコース)
  3. ポリトラックコース(Pコース)
  4. ダートコース(Cコース)

美浦にある坂路コースは、栗東に比べると最後の50mは急こう配になっているものの全体的に高低差が低いためあまり馬に負担がかからない、栗東坂路に比べるとタイムが速くなる傾向があります。

そんな美浦の坂路コースの参考タイムは以下の通りになります。

4F3F1F
53.238.612.5

しかし、2023年現在美浦坂路コースは工事を行っており、改修後は高低差が倍近く変わるので負荷が増える良いコースに生まれ変わりそうですね。

美浦坂路コースの改修は2023年5月から2023年12月に改修が終わる予定です。

ウッドチップコースは2019年に改修が行われて1周2000メートルになり、コースも広くなったためスピードが出やすくなりました。

また、改修前のWコースは傾斜があったため右回り固定でしか調教が行えませんでしたが、改修後は傾斜がなくなったため左右両回りでの調教が可能になりました。

ウッドチップコースの参考タイムはこちらです。

6F5F4F3F1F
82.767.552.638.512.5

ポリトラックコースとダートコースは、栗東と同じく速いタイムが出やすいため、タイムが良い=馬の調子がいいと考えないようにしましょう。

ポリトラックコースの参考タイムはこちらです。

6F5F4F3F1F
81.066.451.337.712.0

ダートコースの参考タイムは以下の通りになっています。

6F5F4F3F1F
81.866.952.038.312.6

追い切りの動画ってどこのサイトで見れるの?

新聞紙や競馬サイトには、追い切りタイムだけが書かれているので調教中の馬の様子を判断できません。

追い切り中の馬の様子を見る方法は、以下の方法があります。

  1. Youtube-JRA公式チャンネル
  2. JRA-レーシングビュアー

JRA公式チャンネル

YoutubeにあるJRA公式チャンネルでは、重賞レース開催週の金曜日に動画があがっています。

また、追い切り動画の他にも関係者インタビューの動画や出走馬の参考レースもあがっているのため、予想の参考にもしやすく気になる方は要チェックです。

しかし、JRA公式チャンネルに上がるのはあくまで「重賞レースに出走する競走馬」の追い切りのみになっているため、他のレースに出走する競走馬の調子についての情報を知るには他のサイトなどを使用する必要があります。

JRA-レーシングビュアー

JRA-レーシングビュアーは、JRAが運営している公式映像配信サービスとなっています。

JRA公式チャンネルとは違い、重賞レース以外にも2・3歳馬の調教の動画を見ることができるので重賞以外の平場の予想を出来ます。

また、年間の全レース分の映像が見れるので前走だけではなく前々走のレースの様子を見れるのでより精度の高い予想をすることが出来るようになります。

他にも色々なコンテンツが揃っているJRAレーシングビュアーは、Youtubeとは違ってコンテンツを利用するには月額550円が必要になります。

流石に無料で利用することが出来ませんが、平場の予想を出来ると考えられるとなると考えるとかなり安い部類だと思います。

支払いがクレジットカードのみとなっているので、クレジットカードを持っていない人は少し不便だと思いますがこのためだけに作ってみるのもいいかもしれませんね!

まとめ

さて、今回の記事では追い切りという競馬予想には欠かせない要素の一つについての説明、解説を行いました。

追い切りは、馬の調教中の様子や仕上がり具合などをチェックできるので、レース前日から活躍しそうな有力馬を絞り込むことが出来る優れものです。

また、コースによって特徴が違いタイムが変わってくるため、全馬比べて一番タイムが速い馬が一番調子がいいという判断はせずに、参考になるタイムと見比べて良いタイムを出してる馬を見つける必要があります。

追い切りタイムは各競馬サイトや競馬新聞にて公開されており、調教中の様子などを見たい場合はYoutubeのJRA公式チャンネル or JRAレーシングビュアー(月額550円)の二つで動画が公開されています。

しっかりと追い切りの情報を集めることで、より良い競馬予想をすることが出来るのでしっかりと抑えて競馬で稼げるようになりましょう。

本間真一郎

1978年12月22日生。東京大学経済学部中退。 某大手商社で役職に就く典型的なエリートでかなりの知的派。その一方で趣味の競馬歴は既に20年を超えており、2021年のエリ女で3連単を的中させたことを未だに友人に自慢している。 好きな馬はもちろんアカイイト。 趣味は車とウイスキー。最近横浜にバーを開店させたオーナーとしての一面もある。 好きな言葉は「明日の百より今日の五十」。

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